はじめに
ゲーム制作の進捗ブログの第18回となります。
今年になって初めての更新となりましたが、ついにゲームが完成いたしました!!
空いている時間がすべてゲーム制作に費やしてきたので、ブログを更新する時間がなく、
ずいぶんと放置してしまいました。
ゲームは無事完成し、ひとまずSteamにて販売開始できるまで辿り着きました。
今回は、最終回としてまとめ的な内容にしたいと思います。
よろしくお願いいたします。
※前回のブログは↓こちらです!
※初回のブログは↓こちらです!
半年間の歩み
前回のブログからゲーム完成までの半年間の歩みをまとめました。
・コントローラーの対応
XBOXのコントローラーやPS用、Switch用など、複数のコントローラーに対応できるように実装、チェックをしました。
無線、有線など接続方法も異なる上に、コントローラーによってボタンに割り当てられれている番号が異なる。
Unityなら、新しいINPUT SYSTEMやRewiredなどのアセットを利用するのが良さそうですが、
自分の場合は従来のInputManagerで開発を進めてきてしまっていたため、後戻りできず。
とても苦労しました。
iOSの場合は、そもそも使えるコントローラーが限られているため、比較的実装しやすい。
switchのコントローラーでも無事に動作いたしました。
さんざん苦労したあげく、Steam環境にアップロードして試すと、面倒な実装なく一通りのコントローラーが動作することに気づきました。
Steam側のコントローラー設定で簡単に実装できるうようですね。
・Steamのページ作成
Steamで公開するために、ストアページを作成しました!
ストアページを作るためには、Steam Direct料金が必要です。
このあたりの作業については、前作の制作時に記録として残した自分のブログを参考にいたしました。
最初は戸惑いますがStaemworksのページはとてもよく出来ているので、一連の作業がしやすく気に入っています。
・MacとWindowsで開発をすすめるたびにGitを使用
iOSでの開発がメインだったためにずっとMacで開発を続けてきましたが、先にSteamで公開することを踏まえると、Windowsでも作業をしたほうが効率が良さそうなので、GitHubでバージョン管理、共有を行えるようにしました。
これに関してはもっと早くやっておけばよかったと後悔しています。
Macで作業してプッシュ、Windowsでプルしてビルド、修正してまたプッシュ、またMacの環境で作業…
と繰り返すことで飛躍的に効率が上がりました。
完全に一人で制作しているため、不要だと思っていましたが、
バージョンの管理、バックアップも行えるので使わない手はなかった。
・東京ゲームダンジョンに参加
今年の1月15日に東京で行われた、インディーゲームのイベント「東京ゲームダンジョン2」に参加しました。
去年の10月ころから参加の準備を開始したわけですが、このイベントに参加したことで、開発のモチベーションや、ゲームとしての完成度もあがったので、とても有意義でした。
イベントの参加については、ゲーム制作以外に準備することが多いので、ゲーム制作とは別の部分で苦労します。
以下が、実際に行ったおもな作業です。
・ホームページ作成
https://studiobbqinfo.wixsite.com/7daysheroes
物理的に色々なものが出来上がるので、その部分は楽しい。
一番苦労したのは、専用ビルドの作成でした。
今回のゲームの場合は4キャラを操作することになりますが、最初から4人を操作するのは難しいので本編ではすこしづつ人数が増えていく作りになっています。
そのため、本編そのままだと魅力を伝えられないとおもったのでイベント用のステージ構成を新たに作成しました。全4ステージを新たに構成したため、作業に時間がかかりました。
結果としてゲームプレイの時間が長くなってしまったことと、難易度のバランスが悪かったのであまり多くの人に遊んでいただけませんでしたが、学びが多く、とても勉強になったので、準備してよかったです。
東京ゲームダンジョンでの評価を受けて、以下の機能や動作を新たに実装しました。
・残弾を見やすく表示
・カメラをひいて、全体を見やすくした。
・ゲーム中に武器やスキルを変更する機能の実装
ゲーム中に武器やスキルを変更する機能については、システム全体を見直す部分があったので、すべての工程を含めて一番大変でしたが、実装したおかげで、ゲーム性が上がり、ゲームとしての完成度も高くなったと思います。
次もぜひ参加したい!!
・英語対応のためローカライズ
ボタンやメニュー、メッセージも含めて全ての文章を英語、日本語で表示できるように対応しました。
Excelのファイルをunity上でScriptableObjectに変更する「Excel Importer Maker」を使用しました。
「Excel Importer Maker」は、ファイルを一度登録してしまえばエクセルを保存するだけで、ScriptableObjectも変更されるので、非常に便利です。
以下のURLより入手できます。ありがたい。
【Unity】Excel Importer Maker、xlsxに対応
Googleスプレッドで自動的に翻訳→エクセルに書き出して、修正→怪しい部分はchatGPTで見直し…
と作業を繰り返しました。個人で制作をする身としては、このような新しい技術は非常に助かります。
・Steamの実績
前回のゲームではちゃんと実装しなかった、Steamでの実績を実装しました。
全部で20種類くらい。ほとんどの実績は普通にゲームをクリアすれば、解除されます。
やり込み要素はほとんどないゲームですが、実績はsteamが用意してくれたゲームを面白くする要素の一つなので、実装してみました。
動作検証が結構大変でしたが、実績が解除されるのは嬉しいものです。
・ムービーモードの作成
今回のゲームではドット絵の寸劇程度のムービーが10個くらいあるので、後で見直せるようにムービーが再生できる機能を作成しました。
全部のムービーを一括で再生できるのと、真のエンディングもこのモードから再生できるようになってます。
・デバッグ作業
Steamで動作確認するようになってから、デバッグ項目を一覧として管理することにしました。
リリース版のビルドを作るまでに修正した項目は200項目くらい…
ゲーム開発当初から同じように管理していたらいくつになっていたのか?恐ろしい。
・マニュアルの作成
Steamで審査に出す際に気がついたんですが、ゲームの遊び方を紹介しているところがひとつもない。
ということでゲーム上でマニュアルを確認できるようにマニュアルを作成しました。
ローカライズできるようにUnity上で作成しましたが、あとでPDFで作り直したので最初からPDFで作ればよかったと反省しました。
・サウンドトラックの作成、公開
今回、新しく挑戦したのが、サウンドトラックの作成です。
ゲーム完成時には12曲のBGMが完成していたので、せっかくなら公開したい。
iTunesとかサブスクでの公開も検討しましたが、Steamでは公開しているゲームのDLCとしてサウンドトラックも販売できるようになっているので、サウンドトラックとして公開することとしました。
自分の規模感のゲームでサウンドトラックを公開しているゲームは少なく、情報を公開している方もいないので、迷いましたが、Steeamのヘルプに「ゲームを公開するより簡単だし、需要がなくたってやったほうがいいよ」と記載されていたことと、インディーゲームの要素として、サウンドトラックへの評価は重要な要素というネット情報を鵜呑みにして、公開することとしました。
落ち着いたら作業の流れはブログにまとめたいなと思っていますが、自分の作った音楽がsteam上で再生できるようになるのは、ゲームが公開されることとは別の満足感があります。
サウンドトラック用にBGMのミックスやマスタリングも再確認したので、ゲーム内のBGMも聴きやすくなったと思います。
ゲーム制作に欠かせなかったもの
今回のゲーム制作に使用したもの、欠かせなかったものについて、以下にまとめました。
どれもこれも自分のゲームを完成するのに必要だったものです。
全てのアセット、アプリを制作された方に感謝いたします。ありがとうございました。
・Unity
いわずもがなの代表的なゲームエンジンです。
・Corgi Engine
何度も紹介しておりますが、自分の中ではUnityとCorgiEngineはセットです。
このアセットがなければ、自分はゲームが作れません。超絶おすすめ。
・OverrideSprite
自分でいろんな機能を制作できるようになりましたが、テクスチャを書き換えるこの機能については、自分では作成不可能でした。
このスクリプトのおかげで、いろんな機能が実装できました。感謝しかないです。
【Unity】”テクスチャの差し替え” で切り替わるスプライトアニメーションを作成する手順
・Excel Importer Maker
ローカライズやアイテムの管理をエクセルやスプレッドシートで行えます。便利すぎ。感謝。
【Unity】Excel Importer Maker、xlsxに対応
OverrideSpriteもExcel Importer Makerもテラシュールブログさん(https://tsubakit1.hateblo.jp/)のものです。ありがとうございます。
・Bfxr
今回のゲームのSEはほとんどこのアプリで制作しました。
ランダムでSEを作成したり、修正したり、ミックスしたり…無料でなんとかなったのはこのアプリのおかげです。
・Piskel
無料でドット絵が描ける最強アプリ。ちいさなドット絵をつくるならAspriteよりも便利。
・Asprite
有料のドット絵アプリですが、きれいなドット絵が描けます。大きめなドット絵はこちらで作成しました。
・ガレージバンド
iOS・Mac標準のDTMアプリ。ほかに試してみたいDTM環境もあるけど、今回はこれで十分でした。
・Magical 8bit plug2
使いやすいうえに、完璧なチップチューン。
このおかげでBGMが作成できました。感謝。
・Affinity Designer
買い切りのデザインアプリ。ipadでもMacでも大活躍。ポスターやグッズ、ゲーム内の画像作成など大活躍。
・Easy Save
簡単にセーブ、ロード機能を実装できるUnityのアセット「EasySave」。
パスワードの設定で暗号化できるので、販売をする場合などは特におすすめです。
まとめ
ゲームの完成をもちまして、2年間続けてきた「【unity】ゲーム開発の記録【名も無きゲーム開発】」もいったん終了となります。
全ての文章に目を通していただいた方、誠にありがとうござます。当初半年くらいでゲームを制作するつもりでしたが、結局完成までに2年ほどかかってしまいました。
自分の場合はゲーム制作歴が浅いので、手を動かして学んでおりますが、効率を考えると、仕様をまとめることが一番大切だと気がつきました。遠回りにみえますが「全てを考えてから制作する」が一番理想的です。次回作があるのなら、仕様を完璧にまとめることに一番時間を費やしたい。
とはいえ、個人で制作している場合、アドリブが効くところも良いところですが。
昨今のゲームの場合、リリース後もアップデートが行えますので、リリースしたことがゴールではなく、リリースがスタートラインといった側面もあります。
しばらくは今作のアップデート対応につとめ、夏ごろにiOS版をリリースしようかと考えています。
今回のシリーズはこれにて終了ですが、また思いつきでブログは続けていく予定ですので、
今後ともよろしくお願いいたします!!
最後に…
完成した「7DAYS HEROES(セブンデイズヒーローズ)」はSteamにて、2023年4月1日より、販売を開始いたします。気になったら遊んで頂ければ幸いです!
「7DAYS HEROES(セブンデイズヒーローズ)」